俺「これ欲しい」妻「あんたの稼ぎじゃ一生無理」高級時計店でのやりとりの5年後、感動の出来事を生む事に


私の職業は、しがない会社員。
高校卒業後、そのまま流れる様に地元にある今の会社に就職し、10年経った今の今まで、ずっと同じ職場で仕事をしてきました。

妻とは、高校生の時からの付き合い。
お互い元々地元から離れるつもりもなかったのですが、付き合い始めから「この人とずっと一緒にいたい」と思っており、お互い地元で就職。
仕事も慣れてきた20歳の時に結婚をし、今に至ります。

互いに働いてはいるものの、地元のただの会社員。
若かった二人にお金に余裕などもなく、結婚式も挙げずに結婚した事は、たまにチクリと言われたりするところ。

その後子宝にも恵まれて、お金はないものの、仲睦まじく家族一緒に毎日を過ごしてきました。

子供が出来てからは、とにかく家庭の事でお金がかかるので、自分のお小遣いもギリギリまで切り詰めます。

ただそれは自分の稼ぎが少ない事が原因なので、一切の不満はありませんでした。
それどころか、家族が一緒に入れるという事自体に大きな幸せを感じていたので、このままずっとこの会社で頑張ろうと思っているくらい。

そんな中、子供をベビーカーで連れながら、久しぶりの都会の方に出て、妻とのデートを楽しむ事がありました。
ちょうど5年ほど前の事。

ぶらぶらしながら、いわゆるウインドウショッピングを楽しむ時間。
贅沢な買い物など一切ありませんが、そんな時間もとても幸せでした。

そんな中、たまたま通りかかった、一つの高級時計店。
そこには、目を見張る様な価格の、キラキラと輝く時計がたくさんありました。

その時計店のウインドウに展示されてる、一つの時計。
その時計は、地元の先輩などがずっと口を揃えて「いつか欲しい」と言っていた、憧れの高級ブランドの時計でした。

「ほんとカッコいいなー、これ欲しい」

笑いながらボソッと口にすると、妻には呆れられながら

「あんたの稼ぎじゃ一生無理よ」

と同じく笑いながら返されました。

「そらそうだ、頑張ろう!」

なんて厳しい言葉に苦笑いしながら、その場を後にしたのを覚えています。

子供が無事成長してきて、妻にも時間の余裕ができてきた時から、妻は今まで辞めていた仕事をパートで再度始めると言ってくれました。
家計的にも助かるので、妻に「ありがとう」と言いながら、パートに送り出します。

この時から、実は一つの夢が私にできていたのでした。
それは、入籍時に挙げる事のできなかった、「結婚式」を妻に挙げさせてあげる事。

やっぱり一生に一回の晴れ姿を妻にも味あわせてあげたいし、何より私の稼ぎもあまりない中、献身的に家庭を支えてくれている妻に、なんとか恩返しをしたいと思っていたのです。

ちょうど妻が働き始めてくれるという事で、少しだけ家計にも余裕ができます。
豪華な結婚式は難しいけど、それでも妻にウエディングドレスを着させて、一生の思い出に残るような時間を過ごさせたいと、私は少ないお金を切り詰めながら貯金を始めるのでした。

目標は、付き合って10年の記念日。
やっぱりサプライズにしたかったから、後数年は黙って貯金をして、1年くらい前に、この事を話そうと思いました。

そんな目標があると、不思議と節制も楽しくなります。
そうして貯金を続けて、付き合って9年の記念日の際に、結婚式を挙げる事を打ち明けるのでした。

結婚式の話をすると、とてもびっくりしながらも、満面の笑顔で喜んでくれる妻。
妻の笑顔に、子供も「結婚式って何ー!何ー!!」なんてキャッキャと言いながら釣られて笑ってくれます。

「あぁ、本当に幸せだな」

目の前で喜んでくれる二人を見ながらそんな事を感じつつ、結婚式を挙げる場所などを妻と一緒に決めていく日々が始まりました。

「10年って、大きな節目だよね」

二人でそんな話をしながら、結婚式を心待ちにします。
数年間続けてきた貯金も、一切辛くなく、仕事にも精が出る、なんとも不思議な毎日でしたが、多分その原動力は妻と子供の笑顔だったと思います。

そうして結婚式の日が近づきます。

段々と、長い年月を掛けて積み重ねてきた自分の「想い」が形になってきて、とても気持ちのいい高揚感がありました。

しかし、この時は気づいていませんでした。

もう一つ、長い年月と共に積み重ねてきた「想い」が、その10年の節目にあったのです。

それに気づくのは、結婚式当日。
そう、付き合って10年の記念日でした。

付き合って10年の記念日当日。
遂に、結婚式を迎えます。

朝はドタバタと結婚式場に行きながら、着々と準備を進め、もうすぐ結婚式という時間まで時が進みます。

タキシードを着た私は、妻の待つ控え室に向かいました。
そこには・・・
ウエディングドレスを着た、満面の笑顔の妻が。

長年ずっとこの日の事を思って、過ごしてきた毎日。
妻の姿を見た瞬間に、その思い出がフラッシュバックされるようで、思わず涙がこぼれそうになりました。

「最高に似合ってるよ」

「今までで一番素敵だ」

互いにハニカミながら、妻に声をかけると、妻は笑いながら

「ありがとう」
「本当に幸せだよ」

と言ってくれるのでした。

とても幸せな気持ちに包まれてる私。
その時でした。

妻が、私に、

「あのね」
「ずっと内緒だったんだけど」
「一つ、渡したいものがあるの」

と、言うのです。

「渡したいもの?何?」

突然の事に、思わずキョトンとしながら聞き返してしまう私。

すると、妻は少し目に涙を浮かべながら、後ろを向いて小箱を取り出します。

その小箱を見た瞬間、一瞬時が止まりました。
妻が手にしていたのは、かつて高級時計店で「カッコいい」と言っていた、高級ブランド時計の箱。

「これ、開けてみて」

何がなんだかわからないまま、小箱を開けると・・・

そこには、あの時「カッコいい、これ欲しい」と私が言った、憧れの時計が入っていたのでした。

驚きの声を挙げながら「なんで?これが?」と妻に聞きます。
すると妻は、

「実は、この時計欲しいって言ってから、10年記念の時に絶対プレゼントしようと思ってて」
「パート始めた時から、ずっと少しずつ貯金してたんだ」

と言うのです。

全く妻の想いに気付かず、結婚式の事ばかり考えていた私は、その妻の想いに、思わず泣いてしまいます。
私が「妻のために」とこの日の為に積み上げてきた想い。
それは、私だけでなく、妻も「夫の為に」と長い年月想いを積み上げてきてくれたのでした。

「結婚式、本当にありがとう」
「この時計をつけて、一緒に結婚式を過ごしてくれると嬉しいな」

この時の妻の笑顔。

それは、私の泣き顔を見ながら喜ぶ、なんとも無邪気で可愛い笑顔でした。

こうして、お互いの想いが交差しながら、10年の記念日を迎えた私たち。
妻がプレゼントしてくれた時計をつけながら、結婚式を過ごしました。
妻の最高の笑顔と共に。

振り返れば、5年前。
あの高級時計店で「これ欲しい」と時計を指して言った時、心の中で「そんなお金があるなら、結婚式だな」と自分では思っていました。
そうしてそこから時が進み、結婚式を挙げるという目標を立てて、長い年月を掛けて積み重ねて形にしたこの記念日。
あの日から、妻の中で、同じ日を目指して、長い年月をかけて想いを形にしようと積み重ねてきてくれたのです。

今考えても、こんなに幸せな事はありません。

確かに決して、私たちは裕福ではありません。
でも、こうしてお互いがお互いを本当に大切に思うと、心のそこから幸せを感じる事ができるのだと、自分たちの経験を通じて、改めて強く感じる事ができました。

今も私たちは、ずっと幸せです。
この幸せが長く続く為にも、最愛の家族を大切にしながら、何気ない、かけがえのない毎日を過ごしていきたいと思います。

引用元:https://cadot.jp/topics/46023.html,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]

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